司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成23年 刑事系科目

第19問 (配点: 2) 備考: 部分点なし


次の【事例】における甲の罪責を判例の立場に従って検討し,後記アからオまでの【罪名】のうち,その罪名に係る犯罪(共犯の場合を含む。)が成立するものには1を,成立しないものには2を選びなさい。

【事例】

甲は,求人広告を見て乙と会い,乙から,銀行で架空人名義の預金口座を開設し,その預金通帳とキャッシュカードを手に入れて乙に渡すというアルバイトを依頼され,これを引き受けた。その際,甲は,乙から,預金口座を開設する際に身分証明書として呈示するため,甲の顔写真が印刷された架空人A名義の運転免許証を作成する必要があると聞かされたので,甲の顔写真を乙に交付するとともに,甲の知人Bの住所をキャッシュカードの送付先として乙に教えた。乙は,不正に入手したC名義の真正な運転免許証の顔写真の上から甲の顔写真を貼り付け,氏名をA名義に,住所をBの住所にそれぞれ書き換えるなどの加工を施し,甲の顔写真が貼付されたA名義の運転免許証を作成した。同免許証は,一見すると真正なものと見分けがつかないような精巧なものであった。数日後,甲は,乙から,前記運転免許証とAの姓を刻した印鑑を受け取った。その後,甲は,銀行に行き,口座開設申込書にAの氏名及びBの住所等を書いてAの印鑑を押した上,同銀行窓口係丙に対し,Aを装い,同申込書を前記運転免許証と一緒に提出して口座開設を申し込んだ。丙は,甲がAであることを疑うこともなく,かつ,前記運転免許証及び前記口座開設申込書の記載内容が虚偽であると知っていれば口座開設をしなかったのに,これらの内容が真実であるものと誤信し,A名義の口座を開設する手続を行い,即日窓口で預金通帳を甲に交付し,キャッシュカードについては,Bの住所地宛てに郵送した。甲は,数日後に郵送されたキャッシュカードをBから受け取った後,しばらくの間,自宅に通帳とキャッシュカードを保管し,その後,報酬と引換えに,預金通帳とキャッシュカードを乙に交付した。

【罪名】

イ.有印私文書偽造・同行使罪

「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成

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