次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい(ただし,甲は,記述4を除いて,当初から,対象物が財産に対する罪に当たる行為によって領得されたものであることを認識していたものとする。)。
1.甲は,何者かがA社事務所から窃取した約束手形をA社に買い取らせる交渉を乙に依頼され,A社と買取りの条件を交渉したところ,同手形はA社に売却された。この場合,甲には盗品等処分あっせん罪が成立する。
2.甲は,乙を教唆して丙所有の自動車を窃取させた後,乙に代金を支払って同自動車を買い受け,その引渡しを受けた。この場合,甲には,窃盗教唆罪が成立し,盗品等有償譲受け罪は成立しない。
3.甲は,乙が窃取した丙所有の自動車を乙から買って,乙に代金を支払ったが,乙が検挙されてしまい,乙から同車の引渡しを受けることができなかった。この場合,甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。
4.甲は,乙からパソコンを預かり保管したが,その1か月後,同パソコンは,乙が丙から窃取したものであることを知ったにもかかわらず,乙のために保管を継続した。この場合,甲には盗品等保管罪が成立する。
5.甲は,12歳の乙が電器店で窃取した携帯電話機を乙から買い,代金を支払ってその交付を受けた。この場合,甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。
「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成