次のアからオまでの各事例を判例の立場に従って検討し,( )内の甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められる場合には1を,認められない場合には2を選びなさい。
ア.甲は,深夜,高速道路上で自動車(甲車)を運転中,大型トレーラー(乙車)を運転中の乙とトラブルになり,乙車の進路を妨害した上,追越車線上に乙車を停止させた。甲は,甲車から降り,乙を降車させた上,路上で乙に暴行を加えた後,甲車を運転して立ち去った。乙は,甲が立ち去った後,甲に奪われないためにズボンのポケットにエンジンキーを入れていたのを失念し,乙車を追越車線上に停車させたまま,エンジンキーを探していた。甲が立ち去ってから約5分後,後方から自動車を運転してきたVは,乙車を発見するのが遅れて自車を追突させ,Vはそれにより死亡した。(甲が乙車を追越車線上に停止させた行為)
「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成