Xは,Yに1000万円を貸し付けたとして,Yに対して,そのうち400万円の貸金の返還を求める訴えを提起した。これに対し,Yは,請求棄却の判決を求め,当該貸付けの事実を否認するとともに,消滅時効又は相殺による当該貸金債権の消滅を主張した。この事例に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.第一審裁判所が,XのYに対する貸付けの事実を認めた上で,Yの主張する消滅時効を理由にXの請求を全部棄却した場合,Yは,貸付けの事実を認めたことを不服として控訴することができる。
2.第一審裁判所がXの請求を全部認容した場合,Xは,Yに対する請求を1000万円に拡張するために控訴することができる。
3.第一審裁判所がYの主張する相殺を理由にXの請求を全部棄却した場合,Yは,これを不服として控訴することができる。
4.第一審裁判所がXの請求を全部認容し,Yがこれを不服として控訴した場合,Xは,附帯控訴の方式により,請求を1000万円に拡張することができる。
5.第一審裁判所が,Xの請求を全部認容したが,訴訟費用の一部をXの負担とした場合,Xは,訴訟費用の負担の裁判を不服として控訴することができる。
「平成23年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073970.pdf)をもとに作成