債務不履行に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.金銭債務者が,不可抗力により,支払期日に支払をすることができなかったときは,当該金銭債務者は,履行遅滞の責任を負わない。
2.建物の転貸借において,転借人の失火によって当該建物が焼失した場合,転貸借について賃貸人の承諾があれば,転貸人は,賃貸人に対する損害賠償義務を負わない。
3.生命保険契約を締結していた被保険者が,医師の過失による医療事故によって死亡し,被保険者の相続人が当該生命保険契約により死亡保険金の給付を受けた場合において,その相続人が医師に対して債務不履行を理由に損害賠償を請求したときは,賠償されるべき損害額から当該保険金額が控除される。
4.特注品の椅子の製造を請け負った請負人が,目的物を完成させて注文者に届けた場合には,注文者がこれを受領しないときでも,請負人は,特段の事由がない限り当該請負契約を解除することができない。
5.不動産の売買における売主の債務不履行において,特別の事情によって生じる損害については,債務者は,その債務の成立時に当該特別の事情を予見し,又は予見することができた場合に限り,賠償責任を負う。
「平成23年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073970.pdf)をもとに作成