次の【甲群】に掲げるアの省令及びイの政令の規定の下線を付した部分が,それぞれ(参照条文)として掲げる法律の委任の範囲を超えており無効であると主張しようとする場合に,次の【乙群】に掲げるAからCまでの主張のうち,どれが最も適切か。政省令と最も適切な主張との組合せを,後記1から9までの中から選びなさい。
【甲群】
ア.銃砲刀剣類登録規則第4条第2項 刀剣類の鑑定は,日本刀であつて,次の各号の一に該当するものであるか否かについて行なうものとする。(以下略)
(参照条文)銃砲刀剣類所持等取締法
第1条 この法律は,銃砲,刀剣類等の所持,使用等に関する危害予防上必要な規制について定めるものとする。
第2条 (略)
2 この法律において「刀剣類」とは,刃渡り15センチメートル以上の刀,やり及びなぎなた,刃渡り5.5センチメートル以上の剣(中略)をいう。
第3条 何人も,次の各号のいずれかに該当する場合を除いては,銃砲又は刀剣類を所持してはならない。
一~五 (略)
六 第14条の規定による登録を受けたもの(中略)を所持する場合
七~十三 (略)
2~4 (略)
第14条 都道府県の教育委員会は,(中略)美術品として価値のある刀剣類の登録をするものとする。
2 (略)
3 第1項の登録は,登録審査委員の鑑定に基いてしなければならない。
4 (略)
5 第1項の登録の方法,第3項の登録審査委員の任命及び職務,同項の鑑定の基準及び手続その他登録に関し必要な細目は,文部科学省令で定める。
イ.児童扶養手当法施行令第1条の2(平成10年政令第224号による改正前)法第4条第1項第5号に規定する政令で定める児童は,次の各号のいずれかに該当する児童とする。
一 父(母が児童を懐胎した当時婚姻の届出をしていないが,その母と事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下次号において同じ。)が引き続き1年以上遺棄している児童
二 父が法令により引き続き1年以上拘禁されている児童
三 母が婚姻(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)によらないで懐胎した児童(父から認知された児童を除く。)
四 前号に該当するかどうかが明らかでない児童
(参照条文)児童扶養手当法
第1条 この法律は,父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため,当該児童について児童扶養手当を支給し,もつて児童の福祉の増進を図ることを目的とする。
第4条 (前略)都道府県知事等(中略)は,次の各号のいずれかに該当する児童の母がその児童を監護するとき(中略)は,その母(中略)に対し,児童扶養手当(以下「手当」という。)を支給する。
一 父母が婚姻を解消した児童
二 父が死亡した児童
三 父が政令で定める程度の障害の状態にある児童
四 父の生死が明らかでない児童
五 その他前各号に準ずる状態にある児童で政令で定めるもの
2 前項の規定にかかわらず,手当は,児童が次の各号のいずれかに該当するときは,当該児童については,支給しない。
一~五 (略)
六 父と生計を同じくしているとき。ただし,その者が前項第3号に規定する政令で定める程度の障害の状態にあるときを除く。
七 (略)
3 (略)
【乙群】
A.政省令への委任を定める法律の規定(以下「委任規定」という。)を文理に即して解釈すると,政省令は法律に違反すると主張する。
B.法律が政省令を定める行政庁に専門技術的な裁量を認めていることを重視して委任規定を解釈すると,政省令は法律に違反すると主張する。
C.法律の趣旨目的に適合するように委任規定を解釈すると,政省令は法律に違反すると主張する。
1.アA イA
2.アA イB
3.アA イC
4.アB イA
5.アB イB
6.アB イC
7.アC イA
8.アC イB
9.アC イC
「平成22年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046901.pdf)をもとに作成