取材の自由に関連する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.民事訴訟法第197条第1項第3号は,「職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合」には,証人は証言を拒否することができるとしており,報道関係者の取材源の秘密は,この「職業の秘密」に当たる。しかし,当該事案において証言拒否が認められるか否かは,さらに比較衡量によって決せられる。
イ.一般人の筆記行為の自由は,報道機関の取材の自由と同様に,憲法第21条の精神に照らして十分尊重に値する。したがって,一般の傍聴者が法廷でメモを取る行為と司法記者クラブ所属の報道機関の記者が法廷でメモを取る行為とを区別することには,合理的理由を見出すことはできない。
ウ.報道機関の取材の手段・方法が,贈賄,脅迫,強要等の一般の刑罰法令には触れなくても,取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しくじゅうりんする等法秩序全体の精神に照らして社会観念上是認することができない態様のものである場合には,国家公務員法との関係では,正当な取材行為の範囲を逸脱し違法性を帯びることになる。
1.ア○ イ○ ウ○
2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○
6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○
8.ア× イ× ウ×
「平成22年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046901.pdf)をもとに作成