次の【事例】における甲の罪責を判例の立場に従って検討し,後記アからエまでの【罪名】のうち,その罪名に係る犯罪が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。
【事例】
甲は,乙及びその妻子全員が1週間の旅行に出ていて留守であると聞いていた乙宅に,窃盗の目的で侵入し,金庫を開けたところ,乙の妻子は旅行中だったものの,一人で在宅していた乙に発見され,「泥棒」と叫ばれた。甲は,捕まっては大変だと思い,乙にナイフを突き付け,「静かにしろ。」と言ったところ,乙は,慌てて逃げ出そうとして転倒し,暖炉の角に頭部をぶつけた結果,脳内出血を起こして死亡した。
甲は,乙の死亡を確認した上,金庫の中にあった多量の宝石と多額の現金を奪った後,犯行の痕跡を消し去ろうと考えて乙宅に火を放ち,乙宅は全焼した。
その後,甲は,上記宝石を丙に売却することとしたが,その際,上記事情を知る丁に依頼して,丁が運転する自動車に乗り,丁と一緒に同宝石を丙宅まで運搬した。
【罪名】
イ.証拠隠滅罪
「平成22年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046903.pdf)をもとに作成