正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
1.相手方による侵害を予期している者が,その侵害から自己の権利を防衛するには侵害に先んじて相手方に加害行為をすることが効果的な状況において,相手方による侵害が間近に押し迫る前に加害行為をした場合,正当防衛が成立する余地はない。
2.相手方による侵害を予期していた者が,それを避けずにその侵害に臨み,予期された侵害に対し反撃した場合,正当防衛が成立する余地はない。
3.相手方を挑発して相手方による侵害を自ら招いた者が,それに対し反撃した場合,正当防衛が成立する余地はない。
4.いわゆるけんか闘争状態にある者が,相手方に対して加害行為をした場合,正当防衛が成立する余地はない。
5.相手方による侵害に対し反撃した者が,その侵害から予想された被害よりも大きい被害を相手方に与えた場合,正当防衛が成立する余地はない。
「平成22年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046903.pdf)をもとに作成