Xの夫Aは,勤務中にくも膜下出血を起こし死亡した。Xは,Aの発症は,過重な労働が原因と考え,所轄の労働基準監督署長に対して遺族補償給付の支給を請求したが,同署長は,業務起因性が認められないとして不支給の決定をした。次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
(参照条文)労働者災害補償保険法
第38条 保険給付に関する決定に不服のある者は,労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし,その決定に不服のある者は,労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
2,3 (略)
第40条 第38条第1項に規定する処分の取消しの訴えは,当該処分についての再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ,提起することができない。(以下略)
一,二 (略)
エ.労働者災害補償保険審査官は,Xの審査請求を棄却し,労働保険審査会は,Xの再審査請求を棄却した。Xは,Aの死亡に業務起因性がないとした労働基準監督署長の不支給決定の違法を理由として,労働保険審査会の裁決の取消しを求めることができない。
「平成21年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006451.pdf)をもとに作成