司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成21年 刑事系科目

第17問 (配点: 2)


次の【事例】に関する後記1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。

【事例】

甲は,自動車のレンタル業を営む乙会社との間で,「返還期日は7日後とする。料金は返還と同時に支払う。」旨の約定で自動車1台を借りる契約を交わし,甲がこの契約を履行するものと信じた乙会社従業員から自動車1台の引渡しを受けた。

1.甲は,前記契約締結の時点から既に自動車を返還期日に返還する意思を有していなかった。この場合,返還期日が経過しなければ甲に詐欺罪は成立しない。

2.甲は,自動車の引渡しを受けた後,返還する意思を失い,返還期日経過後数週間にわたり通勤のため同車を使用していたところ,乙会社従業員が,直ちに同車を返還するよう強く要求したのに,これを拒否して上記同様に同車を使用し続けた。甲に横領罪は成立しない。

3.甲は,自動車の引渡しを受けた後,同車の返還期日になって料金を支払う意思を失い,同日の朝,乙会社従業員が気が付かないうちに,借り受けた自動車を乙会社に返還し,そのまま料金を支払わずに行方をくらました。甲に刑法上の財産犯は成立しない。

4.甲は,借り受けた自動車内で,同車を甲より前に借りた客の忘れ物である一万円札10枚を見付けたので,同車を返還する時に乙会社従業員に渡そうと考え,同車から持ち出して自ら保管していた。数日後,自動車を返還する際,甲は,前記10万円を持って同車で乙会社に赴いたが,同車を返還する間際にその10万円を自分のものにしようと思い立ち,乙会社従業員に同車を返還し10万円は持ち帰った。甲に窃盗罪が成立する。

5.甲は,借り受けた自動車を運転中,ハンドル操作を誤って同車を海に転落させ,これを水没させてしまったが,そのまま放置した。甲に横領罪が成立する。

「平成21年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006453.pdf)をもとに作成

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