移送に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.訴訟の著しい遅滞を避け,又は当事者間の衡平を図るための移送は,被告の申立てによることなく,裁判所が職権ですることはできない。
イ.簡易裁判所に係属する本訴に対し,本訴被告が反訴で地方裁判所の管轄に属する請求をした場合において,本訴原告の申立てがあるときは,簡易裁判所は,本訴及び反訴を地方裁判所に移送しなければならない。
ウ.確定した移送の裁判は,移送を受けた裁判所を拘束するが,移送決定の確定後に新たな事由が生じたときは,移送を受けた裁判所は,更に事件を他の裁判所に移送することができる。
エ.当事者が専属的合意管轄を定めた場合には,法定管轄のある他の裁判所に訴えを提起することは管轄違いであるから,訴えの提起を受けた裁判所は,当事者が合意した裁判所に訴訟を移送しなければならない。
オ.裁判所の管轄は,訴えの提起の時を標準として定められるから,50万円の損害賠償を求める訴えを簡易裁判所に提起した後に,請求額を150万円に拡張した場合でも,簡易裁判所は訴訟を地方裁判所に移送する必要はない。
1.ア イ
2.ア オ
3.イ ウ
4.ウ エ
5.エ オ
「平成21年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006452.pdf)をもとに作成