管轄に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。なお,次の1から5までの各記述において,Xは名古屋市に,Yは東京都千代田区に,Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また,当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
1. Yに対し500万円の貸金返還請求権を有しているXは,YのZに対する同額の請負代金債権を代位行使し,Zに対し,同額の支払を求める訴えを名古屋地方裁判所に提起することができる。
2. Xが,千葉市において所有する建物をYに代金1000万円で譲渡したが,Yが代金を支払わない場合,XはYに対する売買代金の支払を求める訴えを千葉地方裁判所に提起することができる。
3. Xが,京都市においてYが製造販売した毒性のある食物を同市で摂取し,大阪市において発病した場合,Xは,Yを被告とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを大阪地方裁判所に提起することができる。
4. Xは,東京都千代田区において建物甲を,大阪市において建物乙をそれぞれ所有しているところ,建物甲に居住する賃借人Y及び建物乙に居住する賃借人Zに対し,その所有権に基づき,それぞれが占有する各建物の明渡しを請求する場合,Xは,Y及びZを被告として,東京地方裁判所に訴えを提起することができる。
5. Xが所有する静岡市所在の土地に,Yのために抵当権設定登記が経由されている場合,Xは,Yを被告とする当該抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴えを提起するときは,静岡地方裁判所に提起しなければならない。
「平成20年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006412.pdf)をもとに作成