司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成19年 公法系科目

第8問 (配点: 3)


居住・移転の自由に関する次の文章の空欄アからオまでに,後記aからjまでの各文から適切なものを選択して文章を完成させる場合の正しい組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。

憲法第22条は,職業選択の自由とともに,居住・移転の自由を保障している。この自由は,自己の住所又は居所を自由に決定し,また,自己の欲する場所へ自由に移動することを内容とする。居住・移転の自由は,【ア】。それゆえ,居住・移転の自由は,かかる歴史的背景に基づいて,経済的自由の一つに数えられてきたのである。しかし,この自由は,【イ】。また,現代社会においては,【ウ】。居住・移転の自由の中に海外渡航の自由が含まれるかどうかについては議論の存するところである。判例・多数説は,【エ】が,幸福追求権の一つと解する説もある。日本に在留する外国人には【オ】。

a. 封建時代には厳しく制限されていたものであるが,それが近代社会に至って確立することにより,資本主義経済の基礎的条件が整えられることになった

b. 出国の自由はあるが,再入国の自由については争いがある

c. 外国への移住は外国に定住するための海外渡航であるから,その中に一時的な外国への旅行である海外渡航も含まれると解する

d. 身体の拘束を解く意義を有するため,人身の自由の一環としてとらえることも可能である

e. 居住・移転の自由は人間らしい生活の基礎をなすものとされ,その生存権的基本権という側面が強く意識されるようになっている

f. 近代立憲主義の萌芽期から認められていた最も古い人権の一つであるが,自明の自由と解されたために憲法には明示的に規定されないことが多かった

g. 再入国の自由はあるが,入国の自由については争いがある

h. 広く知的な接触の機会を得るためにも居住・移転の自由が不可欠であるとされ,この自由が精神的自由の要素を併せ持つことが説かれるに至っている

i. 個人の自由意思で国籍を離脱することが認められる以上,一時的な海外渡航の自由も当然に認められると解する

j. 本来人間存在の根源にかかわる自由であるという意味においては,人権というよりも公序としてとらえられるべきものである

(ア,イ,ウ,エ,オの順とする)
1. f – d – h – i – b
2. f – d – h – c – b
3. a – d – h – c – b
4. a – j – e – c – g
5. a – j – e – i – g
6. f – j – e – i – g

「平成19年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006371.pdf)をもとに作成

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