次の文章は,「法の支配」に関するものである。AからDまでの各空欄に,後記1から8までの中から適切なものを補充して,文章を完成させなさい。
「法の支配」の原理は,中世における「古き良き法」の優位の思想から生まれ,英米法の根幹として発展してきた。古典的には,「法の支配」とは専断的な国家権力の支配,すなわち,「【A】支配」を排斥し,権力を法で拘束することによって,国民の権利・自由を擁護することを目的とする原理である。
「法の支配」の原理にいう「法」の観念が問題となる。それは,議会が一定の手続に従って制定したという形式的要件だけではなく,その内容が「理にかなっている」ものでなければならないという実質的要件を含む観念である。法の支配という場合の「法」とは,【B】の思想と固く結びついているのであり,権威主義的な法概念ではなく,民主主義的な法概念である。
日本国憲法も,「法の支配」の原理に立脚しているといえる。それは,憲法の最高法規性の明確化,【C】人権の保障,適正手続の保障,【D】に見られるような司法権の拡大強化,そして裁判所の違憲審査権の確立からみて明らかである。
1. 神の
2. 憲法第76条第2項後段の行政機関による裁判の全面的禁止
3. 憲法第11条及び第97条に規定されているように,理念として「不可侵」である
4. 権力分立
5. 人の
6. 憲法第76条第2項前段の特別裁判所の設置の禁止
7. 基本的人権
8. 憲法第12条に規定されているように「常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
【B】
「平成19年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006371.pdf)をもとに作成