司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成19年 刑事系科目

第24問 (配点: 3)


次のⅠからⅢまでの【見解】は,実体法上一罪の関係にある数個の可罰的行為の逮捕勾留に関する考え方を述べたものである。これらの【見解】のいずれかを前提に,後記【事例】における逮捕勾留の適法性について述べた後記アからカまでの【記述】のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。なお,「常習特殊窃盗」とは,盗犯等の防止及び処分に関する法律第2条違反の罪をいう。

【見解】

Ⅰ. 一罪の範囲では,1回の逮捕勾留しか許されない。
Ⅱ. 勾留の裁判の時点において同時に裁判することが可能であった一罪の範囲では,1回の逮捕勾留しか許されない。
Ⅲ. 現実に実行された個々の可罰的行為ごとに1回の逮捕勾留が許される。

【事例】

甲は,平成○○年3月15日(①事件)と4月1日(②事件)に,それぞれ財物を窃取したところ,②事件について,4月10日に逮捕され,4月12日に勾留された後,5月1日,常習特殊窃盗の罪で起訴された。甲は,同事件の公判中に保釈されたが,保釈中の5月20日(③事件)に財物を窃取した。①事件及び③事件は,5月1日に起訴された②事件と実体法上一罪の関係にある。捜査機関は,6月1日,①事件及び③事件について甲の逮捕勾留を検討している。

【記述】

ア. Ⅰの考え方に立ったとき,①事件について逮捕勾留することは,許されることがある。
イ. Ⅰの考え方に立ったとき,③事件について逮捕勾留することは,常に許される。
ウ. Ⅱの考え方に立ったとき,①事件について逮捕勾留することは,常に許される。
エ. Ⅱの考え方に立ったとき,③事件について逮捕勾留することは,常に許される。
オ. Ⅲの考え方に立ったとき,①事件について逮捕勾留することは,常に許される。
カ. Ⅲの考え方に立ったとき,③事件について逮捕勾留することは,許されないことがある。

1. ア イ
2. イ ウ
3. ウ エ
4. エ オ
5. エ カ

(参照条文)盗犯等の防止及び処分に関する法律
第二条 常習トシテ左ノ各号ノ方法ニ依リ刑法第二百三十五条,第二百三十六条,第二百三十八条若ハ第二百三十九条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニ対シ窃盗ヲ以テ論ズベキトキハ三年以上,強盗ヲ以テ論ズベキトキハ七年以上ノ有期懲役ニ処ス
一 兇器ヲ携帯シテ犯シタルトキ
二 二人以上現場ニ於テ共同シテ犯シタルトキ
三 門戸牆壁等ヲ踰越損壊シ又ハ鎖鑰ヲ開キ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅,建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ
四 夜間人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅,建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ

「平成19年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006373.pdf)をもとに作成

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