司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成18年 公法系科目

第34問 (配点: 3) 備考: 3問正解で部分点1点


最高裁判所昭和60年12月17日第三小法廷判決(伊達火力発電所訴訟判決)の次の判示に関するアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

「行政処分の取消訴訟は,その取消判決の効力によつて処分の法的効果を遡及的に失わしめ,処分の法的効果として個人に生じている権利利益の侵害状態を解消させ,右権利利益の回復を図ることをその目的とするものであり,行政事件訴訟法9条が処分の取消しを求めるについての法律上の利益といつているのも,このような権利利益の回復を指すものである。したがつて,処分の法的効果として自己の権利利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者に限つて,行政処分の取消訴訟の原告適格を有するものというべきであるが,処分の法律上の影響を受ける権利利益は,処分がその本来的効果として制限を加える権利利益に限られるものではなく,行政法規が個人の権利利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していることにより保障されている権利利益もこれに当たり,右の制約に違反して処分が行われ行政法規による権利利益の保護を無視されたとする者も,当該処分の取消しを訴求することができると解すべきである。」

イ. この判示によれば,行政庁がある事業者の一定の行為について許可処分をした場合において,当該行為がされることにより不利益を受ける第三者が存在するとしても,事業者が当該行為を必ず行うとは限らないから,その第三者は,許可処分により自己の権利利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者には当たらず,許可処分の取消訴訟の原告適格は認められない。

「平成18年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006517.pdf)をもとに作成

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