司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成18年 公法系科目

第23問 (配点: 3) 備考: 3問正解で部分点1点


行政権限の代理,委任,専決・代決に関する次の記述について,アからエまでの下線部の各記述につき,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

本来の行政庁とは異なる行政機関が権限を行使することが認められる形態として,行政組織法上,代理,委任,専決・代決があると考えられている。

まず,代理とは,本来の行政庁を代理する行政機関が,本来の行政庁を代理して権限を行使することを明らかにして権限を行使することを指す。代理には,法定代理と委任代理とがあり,法定代理とは,行政庁が欠けたとき又は事故があったときに,法律の定めるところに従い,他の行政機関が本来の行政庁のすべての権限を代行することをいう。そして,このような法定代理には,本来の行政庁が予め指定しておいた機関が代理権をもつ場合(指定代理)と,法律の定める機関が代理権を当然に行使する場合(狭義の法定代理)とがある。(ア)

これに対し,権限の委任とは,自己に与えられた権限の一部を他の機関に委任して行わせることをいう。委任をした本来の行政庁が委任を受けた行政機関の直近上級行政庁であるときは,委任をした行政庁は委任を受けた行政機関に対する監督権を保持しているので,委任には法律上の根拠は不要であると解されている。(イ)また,このような場合,当該処分に対する不服申立てとしては,行政不服審査法第5条第1項第1号ただし書等の特別の場合を除き,委任をした本来の行政庁に対する審査請求をすることになる。(ウ)

権限の代理・委任に対し,行政庁が権限行使に関する事務の処理をその補助機関にゆだねるものの,国民に対する関係では本来の行政庁の名において行われるものとすることがあり,これを専決・代決という。(エ)

(参照条文)行政不服審査法
第5条 行政庁の処分についての審査請求は,次の場合にすることができる。
一 処分庁に上級行政庁があるとき。ただし,処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときを除く。
二 前号に該当しない場合であつて,法律(条例に基づく処分については,条例を含む。)に審査請求をすることができる旨の定めがあるとき。
2 (略)

 

「平成18年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006517.pdf)をもとに作成

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