判例の立場に従って次のアからエまでの各事例の甲の罪責について検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
ア. 甲は,木造アパートの空室の壁際に置いてあったダンボール箱に火をつけ,火を板壁に燃え移らせて放火したが,板壁の一部を焼損した時点で,アパートの住民に消し止められた。甲は,そのアパートに人が居住している部屋があることを認識していたが,人が居住する部屋に延焼するかもしれないとは認識しておらず,空室のみを焼損するつもりだった。甲に現住建造物等放火既遂罪が成立する。
「平成18年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006519.pdf)をもとに作成